L40×W40×H30mm
銅 ブロンズ 真鍮
2010
ジョロウグモ(女郎蜘蛛、 上臈蜘蛛、学名 Nephila clavata)は、クモ綱クモ目アシナガグモ科に属するクモである。夏から秋にかけて、もっとも目立つクモである。北海道を除く日本、朝鮮、台湾、中国に分布する。
名前の由来は女郎から来ていると一般的には考えられているが、一方で上臈(じょうろう)から来ているという説もあり、古人はジョロウグモの姿を雅やかで艶やかと感じ,当時の身分の高い女官の上臈(ジョウロウ・年功を積んだ高僧、身分の高い婦人、貴婦人)になぞらえ名づけたともいう。
体長は雌で17-30mm、雄で6-13mm。雌の腹部には幅広い黄色と緑青色の横しま模様があるのが特徴であり、腹部下面に鮮紅色の紋がある。雄は雌に比べて小さく、色も褐色がかった黄色に濃色の縦じま模様である。
産卵は秋の終わりで、交尾時に雌が雄を捕食してしまう危険性があるため、交尾は雌の脱皮直後や食餌中に行なわれる。
また、ジョロウグモはJSTX-3という毒を持っており、興奮性神経の伝達物質であるグルタミン酸を阻害する性質がある。ただし、一匹がもつ毒の量は微量であり、人が噛まれたとしても機械的障害もない場合がほとんどである。同属の近縁種のオオジョロウグモ(Nephila maculata)は、人間でも噛まれると稀に機械的障害を起こすときがあり、時には小鳥でさえも捕食する。
ジョロウグモの網には、色々な小型のクモが居候していることがあり、前後の補助の網に、銀色の粒のような形のクモが見つかることがある。これはシロカネイソウロウグモと言い、網に捕らえられたジョロウグモが相手にしないような小さな昆虫を拾って食べているともいわれている。
かなり多くの地方でジョロウグモと同様に黄色の斑紋を持つ大型のコガネグモ類(コガネグモ科)も含めて「ジョロウグモ」と呼んでいるので注意を要する。ジョロウグモの網は大きくて下に長い馬蹄形で、白い帯はつけない。腹部は長い楕円形で、黄色と灰青色の横帯模様。それに対してコガネグモの網は標準的な円網で、そこにX形に白い帯(かくれおび)をつける。腹部は丸みを帯びた五角形に近く、黄色と黒の横帯模様である。
本作品は、腹部と四対の脚と口前の脚が可動。また腹部の穴に蜘蛛の糸を装着できるように作成。腹部の模様は緋銅とメッキと硫化を駆使して表現した。本作品の制作で一番大変だったのはモチーフの保存と観察、一年前の秋に確保したモチーフを冷凍保存し腹部の収縮を抑える。観察に関しては我慢